ICFの理解と活用 上田敏 きょうされん
2022.1.28
かつて障がいについては、「医学モデル」として、個人の心身機能による個人的な問題として捉える考え 方でした。
今日では「社会モデル」として、社会(モノ、環境、人的環境等)と個人の心身機能の障がいがあいまってつくりだされているものであり、その障壁を取り除くのは社会の責務、すなわち社会全体の問題として捉える考え方が主となっています。
同様に、今日の評価基準であるICF( 国際生活機能分類)では、障がいを「生活機能」として、1.心身機能・構造(生命レベル)、 2.活動(生活レベル)、3. 参加(人生レベル)において、総合的に支援することを必要としています。
また、このような「生活機能」には、周りの「環境」を整えることによって良い影響が及びます。「環境」は建物や道路などのハード整備だけでなく、福祉用具を整えることや家族や友人などの人的な関係構築など幅広く捉えます。
このようにICFは、障がいをマイナスでなく、あらゆるレベルにおいて克服すべきものとして前向きに捉えており、これからの障がい者支援を進める上でとても重要な考え方です。
表題の「ICFの理解と活用」の副題「人が「生きること」「生きることの困難(障害)」をどうとらえるか」はとても重要であり、この機会に深く学びたいと思っています。
障がいを有するハンデを克服し、社会として支え、ともに成長していくためにはどうあるべきか?
障がいのある方だけでなく、あらゆる生きづらさなどを抱える人々が、これから生きていく上で元気になれるよう、ともに頑張ろうと思える本です。