農の福祉力 農文協(2014)

2021.8.23

  農には癒しや、自信の回復、人とのコミュニケーションなど様々な効果があるとされます。最近になって、国も農福連携を重点施策として、様々な支援を展開しています。

筆者の池上甲一先生は、このような取り組みが始まる前から、農の効果に着目して、福祉だけでなく、医療とも連携した「医福農連携研究会」を主催して、多様な関係者と研究を進められてきました。

この「農の福祉力」農文協(2014)は、池上先生の農福連携の基本的な理念を著した本で、僕のバイブルです。一番、印象深いのは、農福連携における福祉は、「ウェルフェア」ではなく、「ウェルビーイング」であることです。

「ウェルフェア」は、障がい者など社会的に支援を要する方々を、社会的弱者と捉え、社会保障の一分野に特定化する考え方です。

池上先生は、むしろ「ウェルビーイング」として、誰もが、農業を通じて元気になり、「いい状態」になるという、前向きに捉えます。

1999年、ILOが定めた「誰もが働きがいのある人間らしい仕事」である、ディーセント・ワークにつながる考え方です。

「ディーセント・ファーム かしわら」も、誰もが、ハタケにお越しいただき、元気になることを目指し、その実践に取り組んでいます。

池上先生には、4年前の学会で、一度お会いさせていただきましたが、コロナが収まり、学会がZoom開催でなく、直にお会いできる機会になれば、いろいろと教えていただきたいです。

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