人新世の「資本論」その2 コモン

2021.10.12

  著者の斎藤浩平氏は、経済至上主義から脱成長への転換には、「コモン」が重要であるとしています。人新世の「資本論」によると、「コモン」とは、「社会的に人々に共有され、管理される富」を表します。

「コモン」になると、「食とか、すまいとか、教育など生活に直結するものは、公共財として、自主的に管理するものになる。そして、地域の人々は、生活に直結するものを安価な価格で購入でき、豊かに暮らせるようになる」とのことです。

その一例は、岩本さまに書いていただいたブログ(6.17)にあります。アメリカではエディブルシティとして、地域の農産物は共有財として、地域の人々が自由に食してもよい都市があるそうです。

脱成長への転換は理解できるものの、「コモン」での収支はどうなるのでしょうか?

現実として、農産物の価格は、海外からの輸入農産物の影響等を受けて、農家の方々がかける時間と労力に比して安価です。

ディーセント・ファーム かしわらでの、今年の販売したデラウェア1房は約150円です。

それに要した時間と労働力の対価としては、妥当とは思えないです。

(もちろん、作物を作る喜び、農業の楽しさ、人との触れ合いなど、金銭では測れない素晴らしい価値があるのは言うまでもありません)。

安全で新鮮なものを提供するため、農家の方々が日々取り組む価値を適正に評価される仕組みになれば、農業に参入する方がもっと増えると思うのです。

地域において新鮮な農産物を生産し、地域で消費する仕組みはとても重要で、先日の「大阪もん」も同様の趣旨です。

では、そのような「コモン」はどうすれば実現できるのか。その時の、労働の価値はどのように評価されるのか?

正直、よくわからないです。この機会に、しっかりと勉強したいと思いました。

また、「コモン」では、障がいのある方も、高齢者も、子どもさんも、そして、生産者も消費者も地域で、生き生きと幸せに暮らせることとなります。経済成長ばかりを望むのではなく、ウェルビーイングな暮らしが実現できる‥。

そのような世界になればいいし、そのために何ができるのか。

たくさんの考えることををいただいた   人新世の「資本論」 でした。

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