人新世の「資本論」 その1 働く価値について

2021.9,26

 大阪市立大学経済学部准教授の斉藤幸平氏による、30万部超えるベストセラーです。

気候変動など直面する世界の危機を救うには、経済優先、金融資本から、脱成長に大胆にシフトすることを必要とする、とても示唆に富む本でした。

とりわけ印象に残ったのが、「働く」ことについて、あらゆる働き方を評価する、「使用価値」(有意性)を重要としていることです。

現在の経済優先の社会は、商品としていくらで売れるのかという金銭的「価値」に重点化しています。

障がい者の方々が「働く」ことについても、工賃倍増や、最低賃金の保障など、金銭的な評価を主とした、就労支援に重きを置くところがあります。

障がいのある方々にも、中度・重度など、それぞれ特性に合わせた働き方があり、それを評価する社会になれば、もっと充実した支援が可能となります。

オランダのケアファームは、多様な働き方を社会が認めるものであり、「ディーセント・ワーク」に繋がる考え方です。

”ディーセント・ファーム かしわら” が、多様な方々が働く場となるにはどうすれば良いのか、たくさんの気付きをいただいた本でした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次の記事

ハタケの改植にむけて