分解者たち 猪瀬浩平 生活書院(2019)

2021.12,26

  この本に登場する見沼ふれあい農園は、埼玉県川口市に所在する広さ約1haの農園です。除草剤、農薬を使用しない有機農業を実践し、大型農業機械も使用せずに人力を基本としています。

 障がい者やボランテイア、主婦、子ども、ロータリークラブなど、多くの地域の人々が農作業を通じて、ともに働き、食し、語らう、集いの場となっています。1999年の開設から約20年の歴史を有しています。

 また、この20年において効率が優先される農業の近代化により、障がい者の仕事がなくなっていく様子も著されています。かつては、農閑期のムシロづくりや綿繰り(摘み取った綿から種を取ること)などは、屋内の仕事として、障がい者の方々も貴重な人材として従事してきましたが、なくなってしまいました。

しかし、同書では多くの人々が関わり合いながら、ともに生きる場を創設するプロセスを「分解」とし(ミミズや微生物が土壌を豊かなものにしていくのと同じです)、その姿が生き生きと著されています。

ディーセント・ファーム かしわらも、障がい者の方々の働く場として、また、多くの人々が訪れていただける集いの場となるよう、取り組んでいきます。

見沼ふれあい農園の約20年の歴史は重いですが、ディーセント・ファーム かしわらのこれからの目標です。

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